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途中にある公園に差し掛かった時、何かがキラリと光った。
「ん? なんだ?」
この公園は、昼間は小さな子供を連れた親子で賑やかだが、
深夜は誰もいないはず。
あの光はなんだろうか?
気になった海斗かいとは、公園に近づき中の様子を伺った。
すると、公園の少し小高くなった丘の上で、人影らしきものが動いた。
まさか幽霊?
そんな訳はないよな、と思いながらもう一度同じ場所を見た。
そこには女性らしき人影が、空に向かって手をかざし、じっとしているのが見えた。
「一体何をしているんだ?」
海斗は不思議に思った。
その時またキラリと何かが光った。
その光は、女性が右手につけているブレスレットのようなものだった。
今夜は月明かりが眩しいくらいなので、ブレスレットに反射したのだろうか?
よく見ると、女性の傍らには何か三脚のようなものがあった。
カメラの三脚?
彼女はこんな深夜に一人で一体何をしているんだろう?
写真を撮るにしては暗すぎないか?
月明かりがあるとは言え薄暗い真夜中に写真撮影?
気になった海斗は、公園の中に入りその女性に近づいて行った。
不審者と思われたくないので、あえて足音を立てて近づいて行った。
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