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「くくっ。聞いてるとおりの子で良かったよ、普通はカッターなんか取り出したら、怯えるか、驚くか、するもんだろう?なのに、きみときたら平然と当たり前のように未だに此処に居る。…ふふ、まったく面白くなかったら」ここでやっと一息つく。ぼくは左下に見えるカッターナイフを視界に入れながら、男を再度見る。周りには人がたくさん歩いているのに、空気が冷たくなるのを感じた。
「…殺していましたよ」
男は笑いながらそう言った。日常会話のように何の前振りもなく、何の躊躇いもなく“殺す”と。
これは間違いなくぼくの周りに居る非日常の世界の住人だろう。
「…あなたは」「ああ、そういえば自己紹介がまだでしたね」台詞を途中で遮るなよ。
ぼくは少々苛立ったがそれは顔に出さないでおく。幸い気付いていないようだ。
「わたしは零崎烈識。以後よろしくお願いいたします。」
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