1:欠陥製品・戯言遣い

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「どうぞ。これでいいですか?」僕は目の前でにこにこしている(作り笑いっぽいような気がする)烈識に鉛筆を渡した。 「……へーえ、ま、ありがたく貸してもらいますね」 今の間はなんだよ?! 古くて悪かったな。 「で…聞きたいことがあるんですが」 烈識は鉛筆を器用にくるくると回しながら言った。 とことんマイペースなやつだ。誰かと似てなくもないが…いや、比べるのは失礼だ!…じゃなくて! 「どうかしましたか?」 「なんでもないです。気にしないで話をどうぞ続けてください」考えを読み取られないように、僕は一気に喋る。まあ、はやく帰りたいというのが本音なのだが。 「…?ふふ、まあいいでしょう、…誰かのおかげで長居してしまいましたので、手短に…」 烈識はそこで一旦区切り、息を吸うと、 「人識のことを教えて下さい」 空気さえも凍るような口調をして、そう言った。
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