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1 のんきな出版社にて
とんがり帽子を被って、定められたローブを羽織り、ほうきを跨っている国の出版社にお勤めのアリアは、編集長の1人を見つめて抗議中。
「ボブ編集長、企画が動画配信者みたいです!!」
「【追いかける側にインタビューしてみた】これ以上わかりやすい題材ないと思うけど」
魔法国『なんでも出版』編集企画部は2名のみ。魔法の杖でなんでも出来る国だから、なんでも出版本の売り上げは芳しくない。
アリアやボブ編集長は、なにかとネタを提案しては、会話を繰り広げているだけ。
「ワープで童話の国行ったんですよね?わたしそっちがよかったです」
ボブ編集長自らワープを使い童話の国に繋がる扉で行くのをアリアは目撃していた。
俊足さがあれば追いつき入室できたけれど、邪魔されたくないボブ編集長は、追いかけてくると見込んで、通路に見えない罠を仕掛け、アリアが足をツタに絡ませているうちに、扉を消してしまった。
「のんびりとしたカメだった」
追いかける童話で有名なカメさんにインタビューした時のことが、文字と動きで表示されている。
「あーあ、いいなぁ」
膨れ面になりながら、紙面の写真の真ん中に再生ボタンがあるのでアリアは、長い爪先で押して見聞きすることにした。
ガァァ・・ピー
ふと、ボブ編集長を見ると、ウサギくんのようにグースカピーと休憩しているではないか。
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