78 S

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78 S

 ちゅっちゅっちゅって音を立ててキスをして、唇を離して見つめ合う。  そしてもう一回キスをしながら匡也がお腹を拭いてくれて、またぎゅうっと抱きしめてくれた。 「…詩音…」  匡也の手のひらが背中を撫でる。匡也に跨ったまんまだから、ぎゅっと抱きしめられると萎えない性器同士が当たってゾクゾクする。  大きな熱い手のひらが、背中からおしりに降りてきた。  あ、あ、あ…っ  ゆび、が…っ 「…今度こっち、…な?」  とんとん、と奥の入口に匡也の指が触れた。  反射的に身体がすくんで匡也の首にしがみついた。 「だいじょぶ?詩音」  また両腕で抱きしめられた。  密着した肌から心音が響き合うような気がする。  ちゃんと応えなきゃ  ドキドキして喉はカラカラだけど、ちゃんと言わなきゃ  匡也にしがみついたまま深呼吸をした。  恥ずかしいけど顔を見て言いたい。  そう思って唇を噛んで顔を上げた。 「…だ、だいじょぶ…だから…」  喉に声が引っかかって上手く喋れない。  でも匡也はオレをまっすぐに見て聞いてくれてる。 「…だから…しよ?匡也…」    掠れた声になった。心臓が飛び出しそうなほどドキドキ鳴ってる。  匡也は目を丸くして、そして嬉しそうに笑った。 「うん、しよう。詩音」  ちゅって唇にキスをして、匡也が抱きしめてくれる。 「精一杯、優しくするから…」  背中を撫でる匡也の大きな手のひらの感触が心地いい。 「…匡也はいっつもやさしいよ…?」  オレも匡也の背中を撫でる。 「そうか?」 「うん…すごいやさしい…。大好き」  匡也の大きな身体を両腕で抱きしめて、それから脚も腰に絡めた。    あ、やばい…  擦れて気持ちいい 「ありがと、俺も詩音のこと大好きだよ。…そのまま掴まってて、な?」  オレを片腕でしっかり抱きしめた匡也が、ゆっくりと身体を倒していく。  匡也に抱きついたままベッドに横たえられて見つめ合った。  キスしたい  少し顎を上げたら、匡也が唇を重ねてくれる。分かってくれたのが嬉しくて、身体全部で匡也を抱きしめた。  あ、これ、脱がさなきゃ  匡也のジーンズ  スリムなシルエットですごい格好いいの  でも今はジャマ  匡也の背中から腰に手を滑らせていくと、匡也がぴくっと身体を震わせた。  ジーンズの硬い布地に手が触れる。  ドキドキ ドキドキ  ゆっくりと指を匡也の肌と下着の間に入れていく。さっき匡也にされたみたいに。  でも片手じゃ無理そうだから両手で。  あ、なんか…  お腹に当たる匡也のが、ますます硬くなってくる  ぐいって圧されて…っ  口の中も舌で抉られるように舐められて息ができなくて、手に力が入らなくなる。  下唇をちゅうって吸われて唇を離された。  はぁはぁと息をしながら匡也を見上げる。  涙が滲んで視界がぼやけた。
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