83  S

1/1
前へ
/86ページ
次へ

83  S

 オレをしっかり抱きしめてる匡也の荒い息が肌にかかった。  ドキドキも止まらない。  汗でぴったり張り付いた肌を離したくない。 「…詩音…」  掠れた声で呼びかけて、匡也が頬にちゅってキスしてくれた。 「好きだ…」  もう一回、頬にキス。  しあわせ 「オレも…」  今度は唇にキス。 「匡也だいすき…」  やっと言えた。  ふふって笑い合って、またキスをした。  好きって言って、キスして、また好きって言って…  幸せの無限ループだ 「すっげぇクリスマスプレゼントもらった気分」  唇を付けたまま匡也が言う。 「オレも…。あ、でも」 「ん?」 「プレゼントも、あるよ?」  匡也を上目に見ながら言うと、アーモンド型の目が細められた。 「マジで?うれしー。…俺もあるよ」  笑った顔、かわいい 「わー、うれしい。何だろ、楽しみ」  オレがそう応えたら、匡也がくすっと笑ってオレの耳元に唇を寄せた。 「…プレゼント、もちょっと後の楽しみに取っといてもいい?」 「え…?」  腰を引かれて思わず匡也の腰に脚を絡めた。 「ははっ。めちゃくちゃ可愛いけど一旦抜くよ、詩音」 「…やだ」 「だめ、外れたらやばいから」 「でも…」  おっきいまんまだし… 「な?ちょっと我慢して、それから…」  ちゅっ、て鼻の頭にキスをされた。 「もっかいしよ?な?」  優しいキスが顔中に降ってくる。 「…うん。する…したい…」  もっともっと、匡也の熱を感じたい。  ああ、でも  その熱に浮かされて言えなくなる前にもう一回伝えたい  匡也のその精悍な頬を両手で包んだ。    やっぱすっごい格好いい、オレの彼氏 「ん?」って顔をした恋人に、ちゅってキスをする。  じっと見つめ合って…それから、 「だいすき」  って、口移しで伝えた。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加