84 S

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「あ、マフラーだ!あったかそー」  裸のまんま、匡也のベッドの中でクリスマスプレゼントを開いてる。  匡也とぴったりくっついて座って、オレは肩から自分のコートと匡也のコートを着せ掛けられてるんだけど、匡也は何も掛けてない。    エアコンはしっかり付けてくれてる。  全然気にする余裕なかったけど、オレが寒くないように部屋を暖めておいてくれたみたい。  幸せだなぁ… 「あの時試着したコートの色、詩音に似合ってたからさ、いいかなって」 「うれしい!ありがと匡也」  ぎゅうって抱きついたら、ぎゅうって抱きしめ返してくれる。  しあわせ 「ね、ね、オレのも開けて?」  赤い袋に金色のリボンのプレゼント。  やっぱ匡也、赤似合うと思う。  リボンを解いていく匡也を見ながら、次は何か赤いものにしちゃおっかなーって思った。 「お、タオル。サンキュー」  オレを引き寄せて、額にちゅってキスしてくれた。  うれしい 「うわ、詩音かわい」  そう言ってまたキス。  キス キス キス  すっごい幸せ 「な、詩音。腹減ってない?昼飯食う?」  頬に口付けてくれながら匡也が訊いた。 「え、あ…そういえば…」  空いてる…ような? 「まだ分かんねぇ感じ?でも昼過ぎてっから。つか俺が腹減ってんだけど」  オレの頭をよしよしって撫でて、匡也が脱ぎ散らかした服を着ていく。 「ドリア、仕込んであるから焼いてくる。ちょっと待ってて」 「え?!」  ドリア?!仕込んである?!  オレの額にちゅってキスをして、床に落ちたオレの服をベッドにのせてくれて、匡也は部屋を出て行った。  え?ちょっと待って。  買ってあるよ、じゃなくて?  ていうか買ってくれてたとしてもすごいのに?  …オレ、昼ごはんのことなんて全然考えてなかった。  もぞもぞと服を着ていたら匡也が戻ってきた。パーカーを手に取って着せてくれて、髪を優しく梳いてくれる。  …すっごい甘やかされてる…オレ 「向こう寒いからここで食お、な?テーブル出すから」 「うん」  匡也の部屋、うちに来た時言ってた通り、広さはオレの部屋と同じくらい。  カーテンはモスグリーン。デスクの上にはPCのモニター。 「な?おんなじぐらいの広さだろ?」  ちょっと照れた顔をして匡也が言う。  部屋見られんのって、なんか恥ずかしいよね。 「うん、そうだね。おんなじぐらい」  あ、そういえば 「雨って降ってんのかなぁ」 「ん?どうだろ」  匡也がカーテンを少し開けて外を見た。 「降ってない、かな?まあ40%だしな。詩音、傘はやっぱ持ってきてねぇの?」  ベッドに腰掛けてるオレの横に座って、匡也がオレの頭を撫でた。 「ううん。持ってきてる。荷物、プレゼントと傘だけだったし。…でも」 「でも?」  我儘、言いたい
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