第28話 体感温度を疑う 2

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第28話 体感温度を疑う 2

【side しん】  さむいさむいさむい。  急に冬が来た!  やっぱり、冬来るのか~と思いながら、もこもこの上着を着込んで、寝室から毛布を一枚引きずってきた。  あー。おこたが恋しい……  カズがお風呂にたってしまったから、余計に隣が寒い。早く戻ってきてほしい。でも、ゆっくり温まってもほしい。  一人毛布を巻き付けながら、携帯を弄って時間を過ごす。  そこから半時間が過ぎたころ 「お風呂あがったよー」  タンクトップ姿で元気にカズが登場した。  その姿に、僕はおもわず二度見する。さすがに下は長いのはいてたけど…それでも、だ。 「ちょ!なんていう恰好してんの?!」 「え?なんて・・・・変??ん?だって・・お風呂上り、だよ?」 「だからじゃん💦薄着過ぎる!湯冷めしちゃう」 「いやいやいや。あっついんだって」 「寒いって・・絶対寒い!!この毛布貸してあげるから!」 「要らないよ~~」  毛布を持つ僕と、タンクトップ姿のカズとの攻防戦が始まる。 「いい子だからこっちおいで!保温してあげるから!」 「保温は必要ないの!(笑)むしろ、冷ましてるんだから」 「・・・冷まして???今は冬だよ?!カズの体温がバグってる~~!!」 「これで、正常なの! ほら!しんちゃん寒いんなら温めてあげる。俺は、アイス食べるけど」  ・・・・・アイス。  おいで。と手を広げながらカズは冷凍庫からアイスを取り出した。 「・・・・・・・チョコ混じってるバニラのやつ」 「しんちゃんも食べる?」  僕は頷いて、毛布を手放しアイスをGET。  寒いけど、寒いからこそおいしいアイス。  食べ終わったら、カズに服着せねば!と、強く誓い、毛布を握りしめた。(美味しいけど…芯から冷える…) ebc7e752-61dd-4998-b444-07eb4fa2d83c
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