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「昭和感あふれる商店街か。……ってお前ら昭和を知らないだろ」 「細かいことはいいんですよ。イメージとしての昭和ですから!」  妙なところに突っかかる先生だと僕とカエデは呆れ顔を見合わせた。 「『まほろ通り』ねぇ、ちょっと待ってくれ」シバセンはポケットからスマートフォンを取り出すと、何やら操作し始めた。「今まで行ったラーメン屋は記録してあるんだ。結構行ってるからな相当な情報量だぞ」  シバセンはスマートフォンの画面をこちらに向けた。一覧表になっているそれには店の場所、味、評価が書き連ねられていた。 「うーん。どうやら俺の記録にはないようだなぁ。すまんが力にはなれんようだ」 「そうですか……。もし何かわかったことがあったら教えてください」  申し訳なさそうにするシバセンに僕たちは礼を言って職員室を後にした。
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