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くっそ、マズった!
いつもならこの細い体に小さな身長を生かしてこの人混みを利用してやんわり交わしてやるのに!!
……なんて。苦虫を噛むような顔をしたってお天道様は助けてくれるわけでもない。
くっそ!
今の今だって、母さんの病状は悪くなっているし、幼い妹は腹を空かせてご馳走を待ってるっていうのにさっ!!
悔しいから認めたくはないけれど、この状況はどうやっても結末は目に見えている。
相手は武器を持っているしさ。
どうするよ、オレ。
――いや、オレだって、ジャンビーアくらいは持ってるよ?
ジャンビーアは一人前の戦士の証として与えられる、男にとって大切なものだ。
それにこのジャンビーアは特別で、今はこの世界にいない父さんの形見でもある。
剣の腕前だってそこいらの兵士に負けないくらいの使い手だっていう自信もあるよ?
え? オレの剣の腕前はどれくらいかって?
自慢だけど、スラム街の中では一番だな。
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