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「ほう?」
オレの言葉が癪に触ったらしい。
ヘサームは突然、オレを仰向けにした。
「はなせっ!! お前なんか大嫌いだ!!」
「その大嫌いな奴に、お前は身を委ねるんだ」
「なっ、――んぅ……」
どういうことかと聞き返そうとした口はすぐに塞がれた。
ぬめった何かが口の中に入ってきた。
オレの口を塞いだそれがヘサームの口で、中に侵入したそれは舌だっていうことはすぐにわかった。
ヘサームは、オレを囮にして、ここまで追いかけてきた。
人買いたちを野放しにして、必死に水路を引いた父さんたちを見殺しにしたワーリー王。
その王の飼い犬である兵士のヘサーム。
(――大嫌いだ!)
……それなのに……。
「っ、うっ!! ぅああっ!!」
ここへ来るまでにたっぷり媚薬を注ぎ込まれあらゆる部分に刺激を与えられた体は、もっと快楽を求めてしまう。
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