176人が本棚に入れています
本棚に追加
ついさっきまで、人買いや男たちに与えられていた刺激とは違う。
それよりも、もっと深い何か……。
それが何かはわからないけれど、そう感じた。
気がつけば、同性に組み敷かれるっていう不快感も消えていた。
自分から足を開き、ヘサームのたくましい腰に巻きつけた。
(それだけ、快楽を求める体が限界に近づいているっていうことなのか?)
――それとも、ヘサームはこういうことに慣れているのだろうか。
だからオレは簡単に体を開くのだろうか。
それを考えた時、また嫌な気分になった。
だけど、『嫌な気分』の正体が何に対してなのかを考える余裕を、ヘサームは与えてくれない。
薄い唇がオレの口を貪りながら、胸の飾りにさえも刺激を与えてきた。
擦り、摘んで、こね回す。
それは人買いたちと同じような指の動き。
それなのに――。
「あ、は――」
これが気持ちいいなんて……オレ、どうしちゃったんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!