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次の日から瓦礫撤去の日々が始まった。朝から晩まで手押し車に瓦礫を乗せては運び、夜は疲れて宿舎で寝るだけの日々だった。
「よう、レナート。ここはお前の出身地だろ。やっぱり嬉しいもんか?」
同僚のアレクが聞いてきた。
「何もかも変わってて、実感ないよ。ここが本当に僕が生まれ育った村なのかって疑いたくなる」
「そうか。これだけ破壊されたら、昔の建物なんて残ってないよな。悪かったな」
俺は「いや、仕方ないよ」と、アレクに言うと作業に戻った。それから一ヶ月、毎日撤去作業を続け瓦礫を取り除くことはなんとか終わった。そして、明後日には俺達は次の村へと移動することになった。
次の日は、久しぶりの休日だった。明日の移動まで各自好きにしていいらしかったので、俺は記憶を頼りにこの村を歩いてみることにした。
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