0人が本棚に入れています
本棚に追加
隣の村には小さい頃からずっと親友だったユーリィが住んでいた。ユーリィは毎日のように隣の村からこの道を通り遊びにきていた。この辺りでは学校もこの村にしかなかったから、近隣の村の子供はみんなこの村に通っていた。
俺とユーリィは背格好も同じで、瞳の色も同じような深い緑色、髪の色もブラウンで同じで、みんなから双子みたいだって言われていた。
夏は一緒に川に泳ぎに行ったり、春や秋はテントを張って、バーベキューをしたり、釣りをしたり、お互いの家に泊まりあったりした。子供の頃の思い出にはいつもユーリィがいた。周りもそうだったし、自分達も本当にお互い双子なんじゃないかって信じるくらい通じあっていた。戦争が始まる三日前もユーリィがこの道を通って、俺に会いにきた。
「レナート、どうしよう。この道、明日から封鎖されるって」
ユーリィは今にも泣きそうな表情で俺に訴えかけた。
「うん、聞いたよ。でも、しばらくはどうしようもないよ」
最初のコメントを投稿しよう!