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私はいつも一人だった。
SFやオカルトが好きで、いつもそんな本ばかり読んでいた。
周りの人たちは私のことを変な子だとか、変わった趣味をしているとか言って少し距離を置いていた。私自身も人付き合いがあまり得意ではなく、自分から積極的に周りに関わろうとはしなかった。
それでも好きなことに夢中になっているときだけはそんなことを忘れていられた。
孤独なんて平気だった。もう慣れっこだった。
『それ、面白いの?』
ある日突然声をかけられた。
その人は一つ上の学年で、なんだかとてもつまらなそうな瞳をした男の子だった。
表情には笑顔の欠片もない。無愛想というよりは無表情そのものに近い。
『そっか。いいね、そういうの』
そう言った彼の瞳に反射して移る世界はまるで灰色のようで、少し寂しげに感じた。
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