彩とカーテン

　美咲は花に囁きました。「雨の恵みを受け取って、元気に育ってね。私たちも自然と共に、強く生きていきましょう」

　すると、美咲のまわりに微かな光が現れました。それは雨粒から発せられる光であり、彩り豊かな虹のように美咲を包み込んでいきました。彼女はその美しい光景に感動し、胸が熱くなりました。

　その瞬間、美咲の手に何かが触れました。驚いて手を見ると、小さな蝶が美咲の指先にとまっていました。その蝶は美しい羽を持ち、光に反射してまるで宝石のように輝いていました。

　美咲は驚きと感動の声を上げました。「あなたは……自然の贈り物ですね。ありがとう、美しい蝶よ」

　蝶は美咲の手から舞い上がり、彼女の周りを軽やかに舞いました。美咲は蝶の舞いに心を奪われ、それに合わせて自らも踊りだしました。雨粒が降り注ぐ中、美咲と蝶は一つになり、自然の響きに身を委ねました。

　その日から、美咲と蝶は特別な絆で結ばれました。彼女は蝶を大切にし、庭に花々を咲かせ、雨を待ちながら共に生きることを誓いました。美咲は蝶に名前をつけました。彼女はその名を「彩（いろどり）」と呼び、蝶の美しさと自然の多様性を象徴していると感じました。