彩とカーテン

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 それ以降、美咲と彩の絆は深まり、彼らは毎日のように庭で過ごすようになりました。雨が降るたびに美咲は喜びに満ちた笑顔を浮かべ、彩と一緒に雨の中を歩きました。  ある日、美咲は彩と共に庭を散歩していました。雨粒が優しく地面に落ちる音が響き、花々がしなやかに揺れていました。美咲は目を細めてその光景を見つめ、深呼吸をしました。空気は潤いに満ち、大地は生気で満たされていました。  美咲は彩に向かって言いました。「彩、この瞬間が本当に幸せなの。雨が降るたびに、私たちには新たな生命の息吹が与えられるんだよ」  彩は翅を広げながら美咲のそばに舞い降りました。その美しい蝶の姿は、まるで虹のように輝いていました。彩の姿が美咲の心に安らぎをもたらし、彩の存在が彼女に勇気と希望を与えてくれました。  美咲は彩に手を差し出し、彩はその指先に優雅にとまりました。彩の触れる感触は軽やかで、ほんの少しの瞬間でも美咲の心を癒してくれました。 「彩、ありがとう。あなたは私の心の支えなんだよ。雨が降るたびに、私たちには奇跡が起こるんだよね」  彩は翅をひらひらと舞わせながら、美咲の声に応えるかのように舞台のように美しい姿を見せてくれました。彩の翅は光に透き通り、雨粒がその表面に反射して美しい輝きを放っていました。
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