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【2023年5月28日 毎売新聞】
5月27日午前10時ごろ、大阪市中央区〇〇町のうどん店で男性店主が頭から血を流して倒れているのが見つかり、その後、搬送先で死亡が確認された。死亡したのは「ひでよし食堂」店主で指定暴力団大忠会傘下組織「翔興業」の中田繁組長(59)。買い物を頼まれた従業員が店に戻り、厨房で倒れている中田組長を発見したという。店内から薬莢のようなものが見つかっており、拳銃などで撃たれた可能性が高いとみられる。
暴対法の規制強化により経済活動が厳しくなりうどん屋を始めたとみられているが、ひでよし食堂のうどんは安くて美味しく、店主の愛想もよいと人気の店であった。捜査関係者によると、中田組長は組長とは言え子分のいない、いわゆる「一人組長」だったとのこと。
「暴力団としての収入源はなかった。真面目にうどんを作って生計を立てていたようだ。暴力団から足を洗いたかったのではないか」と話している。
近所の主婦(65)の証言
「信じられないです、あの中田さんが。あそこのうどんが好きでねぇ、素朴な味で、ちょっと甘口なんですよ。九州は醤油が甘いんですね。言葉に少し九州なまりが入っているので、お生まれは九州ですかってって訊いたら、そうだと。熊本の、何もない小さな漁村だって言ってました。
週に5度は通っていました。大掃除の時に冷蔵庫が重くて持てないって愚痴をこぼしたら、すぐやってきて、移動してくれたんですよ。
あの優しい人が暴力団ですか? まあ。何もしてくれないうちの旦那よりもずっと人間ができていると思いましたよ、本当に」
第一発見者の従業員(45)の証言
「中田さんが暴力団組長だなんていっさい知りませんでした。暴力団らしい人が来店したことも、記憶にないです。失敗しても怒ったりしなくて優しかったし、私が貧しいのを知っていて、余った食材を持って帰っていいよって言ってくれました。まさか中田さんが……今でも信じられません。こんなことになり、悲しくて仕方がないです。
ところで、私は中田さんの知人の紹介でこの店にきたのですが、事件のあと、その知人に電話しても〈現在使われておりません〉で繋がらないんですよ。名刺にある住所にも行ったんですが、空き店舗になっていて。これって、どういうことですかね?」
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