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76 S
「あ、マフラーだ!あったかそー」
裸のまんま、匡也のベッドの中でクリスマスプレゼントを開いてる。
匡也とぴったりくっついて座って、オレは肩から自分のコートと匡也のコートを着せ掛けられてるんだけど、匡也は何も掛けてない。
エアコンはしっかり付けてくれてる。
全然気にする余裕なかったけど、オレが寒くないように部屋を暖めておいてくれたみたい。
幸せだなぁ…
「あの時試着したコートの色、詩音に似合ってたからさ。いいかなって」
「うれしい!ありがと匡也」
ぎゅうっと抱きついたら、ぎゅうって抱きしめ返してくれる。
しあわせ
「ね、ね、オレのも開けて?」
赤い袋に金色のリボンのプレゼント。
やっぱ匡也、赤似合うと思う。
リボンを解いていく匡也を見ながら、次は何か赤いものにしちゃおっかなーって思った。
「お、タオル。サンキュー」
オレを引き寄せて、額にちゅってキスしてくれた。
うれしい
「うわ。詩音かわい」
そう言ってまたキス。
キス キス キス
すっごい幸せ
「な、詩音。腹減ってない?昼飯食う?」
頬に口付けてくれながら匡也が訊いた。
「え、あ…、そういえば…」
空いてる…ような?
「まだ分かんねぇ感じ?でも昼過ぎてっから。つか俺が腹減ってんだけど」
オレの頭をよしよしって撫でて、匡也が脱ぎ散らかした服を着ていく。
「ドリア、仕込んであるから焼いてくる。ちょっと待ってて」
「え?!」
ドリア?!仕込んである?!
オレの額にちゅってキスをして、床に落ちてたオレの服をベッドの上にのせてくれて、匡也は部屋を出て行った。
え?ちょっと待って
買ってあるよ、じゃなくて?
ていうか買ってくれてたとしてもすごいのに?
…オレ、昼ごはんのことなんて全然考えてなかった。
もぞもぞと服を着ていたら匡也が戻ってきた。
パーカーを手に取って着せてくれて、髪を優しく梳いてくれる。
…すっごい甘やかされてる…オレ
「向こう寒いからここで食お、な?テーブル出すから」
「うん」
匡也の部屋、うちに来た時言ってた通り広さはオレの部屋と同じくらい。
カーテンはモスグリーン。デスクの上にはPCのモニター。
「な、おんなじぐらいの広さだろ?」
ちょっと照れた顔をして匡也が言う。
部屋見られんのってなんか恥ずかしいよね。
「うん、そうだね。おんなじぐらい」
あ、そういえば
「雨って降ってんのかなぁ」
「ん?どうだろ」
匡也がカーテンを少し開けて外を見た。
「降ってない、かな?まあ40%だしな。詩音、傘はやっぱ持ってきてねぇの?」
ベッドに腰掛けてるオレの横に座って、匡也がオレの頭を撫でた。
「ううん、持ってきてる。荷物、プレゼントと傘だけだったし。…でも」
「でも?」
我儘、言いたい
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