3015人が本棚に入れています
本棚に追加
/606ページ
それから優羽は自室に戻り、兄の裕樹にメッセージを送った。
仕事中にも関わらず、裕樹はすぐに折り返し電話をかけて来た。
優羽が事情を説明し、岳大を迎えに行くと告げると、
「良かったなー。いやー本当に良かった! ちょうど近くで登山者の死亡事故があっただろう? だから俺もヒヤッとしていたんだよ。でも岳大さんなら大丈夫だって信じていたけどね! 流星は今日俺が迎えに行ってそのまま連れて帰るから心配するな! あ、ちょうど明日、明後日は保育園休みだし、なんなら明後日まで預かるよ。お前はしっかり佐伯さんの世話をしてあげなさい。きっとすごく疲れているだろうからな!」
優羽はまだ泣きながらうんうんと返事をした。そして、
「お兄ちゃんありがとう」
と言ってから電話を切った。
それから慌てて出かける準備をした。
岳大が戻ってくるのが何時になるかわからないので、とりあえず井上の為に温かいコーヒーを用意し、カフェで仕入れたパンを少し分けてもらい持って行く事にした。
そして防寒対策をしっかりしてから、井上の迎えを待った。
最初のコメントを投稿しよう!