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そこで井上が坂本に優羽を紹介した。 「こちら、佐伯さんがお付き合いしている森村優羽さんです。ずっと心配していたので、連れて来ちゃいました!」 「初めまして、森村です。無事の下山、本当に良かったです」 優羽がそう言うと、坂本が、 「あー! あなたが佐伯さんの! 保坂からお噂は伺っておりますよ。いやーご心配おかけして申し訳ありませんでした。心配だったでしょう? でもね、もうじき佐伯さんもこちらに戻って来ますよ! 一時間くらい前だったかな? やっと電波の届く場所に降りて来たみたいで、連絡が来ましたから!」 坂本はそう言うと、優羽を安心させるようににっこりと笑った。 それを聞いた優羽と井上は思わず顔を見合わせてから、 「よかったー!」 「よかった!」 と同時に言った。 優羽は目尻が熱くなるのを感じたが、なんとか涙はぐっとこらえた。 すると、向かいにあるホテルの方から、 「井上さーん! 森村さーん!」 と声がした。 二人が振り返ると、大和翔真がこちらに向かって歩いて来た。 「翔真君!」 井上がそう叫ぶと、翔真は駆け寄って来て井上と抱き合った。 そして、 「君はまだここにいたの?」 「はい! 向かいのホテルに空きがあったので、マネージャーに急遽とってもらいました。佐伯さんが戻るまでは僕もここにいますよ!」 と言い、二人に向かって爽やかな笑顔を見せた。 「大和さん、ご無事で良かった!」 優羽が心からそう言うと、翔真は、 「佐伯さんのパーティーですよ! どんな困難があっても大丈夫です! 今回佐伯さんと一緒に行動してみて、僕わかりました! あの人本当に凄いや!」 そう言って、また二人に向かって笑った。
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