夸父追日

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 やがてこの巨人夸父が太陽を追いかけた話が伝説となって今日まで語り継がれる。  夸父が何を思って太陽を追いかけたのか、今では各々(おのおの)の想像力で補完している。  瘡悩はこの有様を見て嘲笑(あざわら)いながらこう述べる。 ――虚構(ウソ)虚構(ウソ)とも知らず虚構(ウソ)を一途に追いかける。俗世の蛙は永遠に変わらないから、我輩を永遠に愉しませてくれる。
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