1.きみと一緒に過ごしたい

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 必須科目だった上に、オメガである俺はめちゃくちゃ勉強してやっと入った大学ということもあってかなり気合いを入れており、そしてたまたま隣に座ったのが、他でもない彰だったのだ。  彰はアルファ特有のエリートオーラなんてものはなく、それどころか少し天然で可愛い感じで。  オメガだとかアルファだとか関係なく仲良くなった俺達は、あまりにもありきたりで、だからこそ穏やかに気持ちを育み付き合い始めた。 「れーん、蓮の好きな監督のドラマ始まるよ」 「え、まじ? 今行くわ」  勝手知ってる彰の家。  最早自分の家よりも居心地のいいこの部屋で、まるで自室のようにテレビの前のソファに並んで座ると、すかさず彰が膝掛けをかけてくれる。 「湯冷めしちゃダメだよ?」 「ん、ありがと」  特に大きな喧嘩もなくこの8年過ごし、これからもずっと一緒に居られれば、と願えば願うほど。彰が番になろうと言ってくるほど。  俺には頷く事が出来なくて―― 「あ、これ“運命の番”がテーマになってるドラマなんだね」  彰の言葉に思わずビクッと肩を跳ねさせる。 「蓮?」 「ん? あー、いや、これ系多いよな」
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