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説明しながら自信を失ったのか、語尾が小さくなる彰に思わず笑いが込み上げる。
“オメガの巣作りを真似てたってことか? ほんと、アルファらしくないアルファだな……”
だからこそ、誰よりも愛おしい。
そしてそんな彰の策略にまんまとハマり、俺にとってはどこよりも居心地の良い場所になっていることも事実だった。
“――あぁ、好きだな”
心の底から実感する。
彰の全てが大切で、愛おしくて。
俺を抱き締める彰の背中に、俺もそっと腕を回した。
「……彰、お願い、噛んで欲しい」
呟くようにそう告げると、ビクリと彰の肩が跳ねる。
「俺を番にしてくれないか?」
ヒートだからか、それとも彰に包まれているからか。さっきあんなに散々抱き合ったのに体がどんどん熱くなる。
そんな俺に触発されたのか彰の体も、俺と同じくらい熱くなっていて。
「……い、いの? 本当に?」
「ん。ほんとはさ、ずっと彰に噛まれたいって思ってたんだ」
そう答えた瞬間、ぐわっと体が持ち上げられる。
「ぅ、わっ!?」
「ごめん、流石にこれは……ちょっと余裕、ない」
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