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「……だったら尚更、こんな日くらい側にいて欲しかったんだけど?」
少し気恥ずかしく感じながらそっと視線を外しつつそう告げると、すぐに近寄った彰が俺の額にキスを落とす。
「ごめん。でもこれ、蓮好きだろ?」
ふふ、と笑った彰にホットミルクを差し出された俺は、その嬉しそうな顔に釣られて頬が弛みそうになるのを堪えつつ、やはり俺好みの少しぬるめに調節されたそのミルクをゴクゴクと飲んだ。
「ね、ヒートが終わってもここにいてよ」
相変わらずあざとく小首を傾げる彰は、やはりどこかアルファらしくはなくて。
“運命なんかに負けないくらい、俺達の絆を強くすればいいだけだったんだな”
「そうだな、ここ、俺の為の巣らしいし?」
「そ、れはっ! 言っちゃダメなやつでしょ……」
少し恥ずかしそうに顔を隠す彰に、俺からもそっとキスを落とす。
“こんな顔も、全部俺のだから”
飲み干したコップをサイドテーブルに置き、まだ少しヒリリと痛む首に胸を踊らせながら、俺は大好きで大切な唯一の番に抱き付いたのだった。
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