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友達として側にいれるだけでいいなんて、そんな事を思っていたハズが気付けば力一杯抱き締めていて。
『痛いって、ばーか』
なんて笑うそいつに、潤んだ瞳を見られたくなかった俺は更に力を込めて抱き締めていたーーーーのは、もう4ヶ月前だ。
“腐れ縁の拗らせ方やっべぇ”
と自分でも思うほど、『恋人』という特別な響きで満足してしまった俺は未だにキスすら出来なくて。
やっぱり女よりも硬いだろう唇とか体とか。
男はやっぱ無理だ、なんて言われたらとか。
ぐるぐると思考だけ回り、俺自身は一歩も動けてなくて。
“こいつからも言わねぇし⋯”
何も求められないというのは、やはり友達の延長なのかと思うと少し思考が暗くなる。
そんな日々に訪れた『夜のお誘い』は。
「ま、そうだよな⋯」
思わずはぁ、と小さくため息を吐くが、それでもこういう時に声をかける相手が俺だと思うと気分も良くて。
「?で、ダメなのか?」
「いや、行くよ。飯は?」
「よっしゃ、飯は俺んちで!泊まりでいいだろ?」
「と⋯っ!?お、おぉ、わかったわ」
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