3人が本棚に入れています
本棚に追加
うっかり口から出てたらしい般若心経は恐怖心をめちゃくちゃ煽ってしまったらしく、腕にしがみついていたはずなのに気付けば胴体にまとわりつくように抱き締められていて。
「ちょ、おま、それはやめろ、流石にまずいから」
「え、何が!?何かいんの!?」
「そうじゃなくて!だから俺の⋯っ」
“理性がヤバイ!!”
なんとか剥がそうと絡み付く腕に手を伸ばすが思った以上に強い力で抱き締められていて剥がれない。
“嬉しい、嬉しいのは間違いないんだが⋯!”
期待するのが心だけなら良かったのだが、しっかり体も期待してしまって。
反応してしまう下半身に俺は頭を抱えるしかなかった。
「その、それ⋯。」
「え、あ、あぁ、その、これは生理現象っていうか」
「俺でそうなったんだよな」
「その、ま、まぁ⋯」
“ヤバイ、引かれたか!?”
なんて焦り変な汗が背中を伝う。
そんな俺に重ねられた言葉は。
「ーーー、手、出さねぇの?」
「は?」
一瞬何を言われたかわからずぽかんとそいつを見ると、俺の下半身から顔を無理やり背ける頬が赤らんでいて。
「俺達付き合ってんだろ?なのにお前キスすらしてこねぇし⋯」
最初のコメントを投稿しよう!