3人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬何が起きたのかわからず、ただ視界いっぱいに広がる幼なじみの顔をただ見ていた。
そして一拍置き、火傷しそうなほど熱い舌が自身の舌を絡めとるように口内に入れられている事をその熱と、“薄まっていない”強いコーヒーの香りで気付かされる。
反射的に腕を突っ張って無理やり剥がそうとし⋯
想像よりもアッサリと幼なじみはコーヒーの香りだけを残し離れて。
「⋯な、え、は⋯?」
「薄まってなかったろ?」
「え⋯あ、まぁ、薄まってはなかった⋯けど、え、え?」
「そうか、良かったな」
“よ、良かったな⋯⋯!?”
それは確かに求めていた“薄まっていない”香りだったし、猫舌の俺ではなかなか感じられないものではあったのだけれども。
「お、おま⋯っ、お前今⋯」
「おかわりいるか?」
「ふへっ!?」
「って、あぁ、お前まだ飲んでねぇのか」
「あ、おかわりってそっちの⋯?」
そっちの、なんて聞いてすぐにハッとし顔に熱が集まるのを感じる。
“そっちの、ってなんだよ!他にどのコーヒーのおかわりがあるんだっつの!?”
「⋯へぇ、お前が望むなら“どっちの”でも俺はいいけど」
「いらんわ!!」
最初のコメントを投稿しよう!