残業時間をキミと一緒に。

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「先輩に帰れはないだろ~」 突然また開いたドアに動揺しつつ、反射的に怒鳴るように返事してしまうが全く気にしていない様子の先輩は。 「てか、体が辛いの俺の方だと思わない?」 「うっ」 なんてニッと笑みまで向けてきて。 「次の日仕事だってのに誰かが夜遅くまで無茶するからさぁ」 「⋯ここ、職場なんですけど」 「別に俺は誰か、としか言ってないしナニを、とも言ってないけど?」 「うぅう」 “だから嫌だったんだよ!” と心の中で頭を抱えてももう遅い。 どうせ全てお見通しのこの人に誤魔化す意味なんてなく。 「あーあーそうですよ!仕方ないでしょ、先週は先輩出張で久しぶりの休日デートですよ!名残惜しくてねっ!夜遅くまで付き合わせて無茶さしてすみませんでしたぁ!!」 なんて開き直った俺に、ふはっと小さく吹き出した先輩の大きな手のひらがポン、と頭に乗せられた。 「ま、つまりお前が寝不足でミスしたのは恋人である俺の責任でもある訳だ」 「そ⋯れは、違うと思いますけど。俺のミスは俺の責任ですし⋯」 「気に入らないか?んー、じゃあ、まぁ後輩のミスは先輩のミスってことでどうだ?」
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