エピローグ:紡いだ先の私たち

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エピローグ:紡いだ先の私たち

「げっ、お前またこんな変な映画掘り出してきてんの?」 「はぁ!?変って何よ、あのね、B級映画って呼ばれるから劣ってるように聞こえてるのかもしれないけど、B級って言うのはしっかりそういうジャンルとして認められてて···」 「あぁ、記憶が戻っちゃったのか···」 「映研の平和が···儚く散った···」 いつもの部室でいつもの言い合いをしているとわざとらしく先輩達がガックリしていて。 「ていうか、先輩方なんであんな嘘言ったんですか!?」 「いやぁ、だってさ?記憶喪失の二人が恋に落ちるなんて映画の王道ストーリーだからさぁ、映画研究サークルとしては乗っとかないといけないかなって!」 さっきまで落胆していたのが嘘のように楽しそうに語る先輩達を見て思わずため息を吐くと、大和も同じタイミングでため息を吐いていて。 まぁでも二人はそんな風に喧嘩してる方がらしいかもな、なんて笑い飛ばす先輩に苦笑しつつ、そっと机の下で大和の手を握る。 少し顔を赤らめた大和がこっちを向き目が合ったので 「こういうのも王道でしょ?」
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