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1.小さな親切は優しさとお節介のどちらなのか、大体後者
二人は幼馴染みだった、とてもとても“仲の悪い”幼馴染みだった。
仲が拗れたのは小学校入学の時。
男女を意識するにはまだ早い気もするその年齢でもませた子はいるもので、男女で仲良い二人をからかった。
親同士が仲良く生まれた時から一緒にいたし、姉弟のように思っていたいずみはそんなからかいなんて気にしなかったが、大和はそうではなかったようで。
「お前なんか姉じゃねぇよ!ふざけんな!」
そう言って突き飛ばされたのだ。
小学生の体格なら男の子より女の子の方が大きくて、結果的にボッコボコにしてやった。
そして二人はどんどん険悪になり、顔を合わせると怒鳴り合い殴り合う。
さすがに中学くらいからは殴り合ったりなんてことはしなかったが、二人の仲は大学の映画研究サークルで再会してからも修復される事はなくてサークルメンバーも、そして両親も頭を抱えるほどだった。
サークルで会ったのは本当に偶然で、これが腐れ縁というやつなのかと殺意が芽生えた。
主にB級ホラーと呼ばれるジャンルが好きないずみは何十年も昔の洋画を中心にメンバーと観賞していたが、大和はいずみがいる時はすぐに舌打ちをして部室を出る。
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