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日本の名川に名前を連ねる『恋鋼川』は、岸辺の両端からアーチ状に掛かった見事な木蓮の花が有名だ。
それも夕暮れ時には美しい夕日と純白の花弁がキラキラと翻って透き通る水面に映り、まるで液体になった鋼が流れているような言い知れぬ絶景になる。
またこの2本の大木の根元には小さな塚が設けられており、控えめに存在するその塚にはちょっとした謂れがあった。
もう地元の住民でも、いくつも歳を重ねた老人しか知らない程に深く埋もれた、恋の物語──。
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