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私の答えを聞いたテオドールは、仲良くなれれば、という言葉を聞いてその鮮やかな黄目を真ん丸に見開いて何かを考え込んだ⋯ような表情をしながら。
「君がそんなことを考えていただなんて、俺は婚約者失格だ。憂う表情も愛らしいがやはり愛する女性には少しでも笑顔でいてほしいぃぃぃぁぁあっ」
「ぎゃっ!?テオドール様!?」
つらつらと甘い台詞を言い出したと思ったら机の脚で頭を打ち付けてしまった。
「て、テオドール、で、いい⋯」
ゼェゼェと息を切らせながらそう呟く彼に少し引きながら頷く。
「少し⋯休む⋯すまない、君との食事の時間が唯一の癒しだったのだが今はどうにかなって、しま、くっ、本当に、おかしく、なりそうだ⋯っ」
「え、えぇ⋯その、お大事に⋯」
そのまま立ち上がりふらふらと歩くテオドールを見送ると、入れ替わりで戻ってきたアニーに直ぐに便箋を持ってくるように頼んだ私は、少し行儀は悪いが一人残された部屋でソファに深く腰かけて。
“な、なんだったの⋯?”
会えば毒しか吐かない彼の本音が本当にアレなのだろうか。
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