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これも売り言葉に買い言葉と言うのだろうか、彼がツンツントゲトゲしてくるせいで気付けば私までいつも彼に可愛くない態度を取ってしまう。
“このままじゃ、跡継ぎなんて⋯”
はぁっ、と大きなため息を吐いた私はチリンとベルを鳴らして。
「お呼びでしょうか、クリスタお嬢様」
「アニー、私の顔を明るく朗らかにしてくれるかしら」
「お嬢様はいつも可愛らしいですが⋯、うーん、畏まりました、少し髪型とお化粧を変えてみましょうか」
「お願いね」
専属侍女のアニーがきつく結い上げていた金髪をパサリとほどき、手慣れた手付きでハーフアップにしてくれる。
「頬は、お嬢様の深緑の瞳に合わせて薄めに入れさせていただきますね」
「ありがとう」
さっとブラシを動かしうっすら赤く染まった頬は、庇護欲を誘うような可憐さを出していた。
「これならもう陰鬱だなんて言われないかしら?」
思わずそうアニーに聞くと、私の言葉を聞いたアニーがピシッと固まって。
「⋯あんのクソ男、私達のお嬢様にそんな事を言ったんですか!?」
「あ、アニー?ちょっと落ち着いて⋯」
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