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「ツンケンしてたし毒しか吐かれなかったけど⋯、それでも私が言い返す言葉に耳を傾けてくれていた」
それが例えどんな暴言だったとしても。
“まぁ、先に毒を吐いてくるのはあっちだったから私だけが悪い訳じゃないけどね!”
それでも。
きっとその態度だって、ちゃんと向き合いたいと思ってくれていたからだと今は知ってしまったから。
「剥き出しになった本音じゃなくて、不器用でも不恰好でも、キツイ言葉でもいいから『本心』を聞きたい。だからいつもの貴方で教えて、私とどうなりたいの?」
息を呑み、口をつぐむテオドール。
そんな彼を待つようにじっとしていると、渋々⋯といった雰囲気で彼が口を開いて。
「⋯アカデミー在学中から、クリスタの事は知っていた」
「え?」
それはあまりにも意外な言葉だった。
“学年も違ったし、直接話したこともなかったのに⋯?”
ぽかんと彼を見上げ、ここで互いの顔を見てしまったらまた彼がおかしな事を言い出すと気付き慌ててテオドールの背中に再び顔を埋める。
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