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「だ、だってそうだろ!俺の魔法を見てくれてても、俺自身に憧れてくれてる訳じゃないんだから⋯」
「だからってあの態度で好きになる女とかいないわよ」
ハッキリ告げるとテオドールは、うぐっと言葉を詰まらせた。
もし元々彼自身を好きだったとしても、あの態度では一瞬で冷めるというものだろう。
「⋯私は、冷めなかったけど」
「は?」
「憧れていたのがイメージで作ったテオドールじゃなかったからかしら?こんなに綺麗な魔法を練れるのはどんな人だろうって思っていたからかしら」
苛立ちはしたが、落胆はしなかった。
だって私が憧れたのは、やはり彼で間違いないのだから。
「私が飲もうとしていた魔法薬を奪ってまで飲んだのはなんで?」
散々吐露させたから知っている。
けど、やっぱり私の知っている彼の言葉で聞きたくて、ついそんな事を聞くと。
「⋯毒薬かと思ったら、自然と飲んでいた。俺のせいで追い詰めたなら俺が飲むべきだと思ったからだ」
「それは相手が誰だったとしても?」
「クリスタ、だからだ。好きなんだから仕方ないだろ!」
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