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「落ち着けませんっ!いつもいつもいつもいつも!!自分が未来の婿としてロヴィーシャ家に居候している立場だってわかってないんじゃないですか!?」
激昂するアニーにたじろぎつつも思わずくすりと笑ってしまう。
「ダメよアニー、この婚約が破棄されて困るのは我がロヴィーシャ家だけなんだから。⋯でも怒ってくれてありがとう、私達だけの内緒よ?」
「クリスタお嬢様ぁ⋯っ、嘆かわしいですぅ⋯っ!!」
私の代わりに瞳を潤わすアニーの頭をそっと撫でると、テオドールのせいで苛立った心が落ち着くようだった。
私達の住むこの国では女性でも爵位が継げる。
そしてロヴィーシャ伯爵家には私しか子供がいなかったので、伯爵位を継ぐのは一人娘の私ことクリスタ・ロヴィーシャに決まっていた⋯までは良かったのだが。
“家を存続させるには跡継ぎが必須なのに、まさかこうも私と結婚していいと言ってくれる相手がいないなんて思わなかったわ⋯”
そこまで厳しい条件を出した訳ではなかったし、全く申し込みがなかった訳ではない。
「でも、他に結婚を申込んでくれた方々は⋯ね、ほら⋯」
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