5.擦り合わせる、その為に

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5.擦り合わせる、その為に

私の本音を素直に告げると、彼がごくりと唾を呑んだのがわかった。 左手が私の腰辺りに触れたと思ったら、そのまま夜着のリボンをそっと抜き取って。 「⋯本当に、いつもの俺でいいんだな?」 「建前で固めた貴方こそがテオドールでしょ」 私の返事を聞いた彼は、視界を塞いでいた私の手をそっと外しリボンで目隠しをする。 今度こそ両手が空いた彼は、その両手で私を探し抱き締め、そんな彼を私も両手で抱き締めた。 私を抱き締めるその体が熱く、触れてる体を伝ってくる彼の心音が心地良い。 “きっと、私の熱と鼓動も伝わってるわねー⋯” 暫く抱き合っていた私達は、どちらともなく体を離し今日何度目かわからない口付けを交わした。 噛みつかれるように口を塞がれ体重をかけられると、私の体がぽすんと簡単にベッドに沈む。 私に覆い被さるように再びベッドにあがった彼が、手探りで私の夜着を脱がせはじめた。 “まだ着替える前で良かった。コルセットとかつけてたら、目隠しではきっと一生脱がせられないもの” 夜着の裾からがばっと持ち上げるように私を脱がせた彼は、すぐに私の体に手を這わせる。
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