1.問題は、ない、はず

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だからそもそも毒じゃない、という主張をする前に私から小瓶をひったくったテオドール様は、止める間もなく蓋を開けて。 「だ、ダメ⋯っ!!」 そのままグイッと一気飲みしてしまった。 “はぁ!?う、嘘でしょ!?” 思わず呆気に取られた私だったのだが⋯ 「う、ぐ⋯っ」 がくりと膝をついたテオドールを見て一気に青ざめる。 “一滴と言われてたのに全部飲んじゃったの⋯!?なにか副作用が出るかもしれないわ” 魔法薬は用法・用量を守れば安全な代物。 だが、守らなければ体にどんな影響が出るかはわからない。 慌ててテオドールの横にしゃがみ、背中を擦ると少し冷や汗をかいているテオドールが目に入った。 “ま、まぁ飲んだのはあくまでも『素直になれる薬』だから大したことはないはずだけど⋯” それでも苦しんでいる様子のテオドールに焦った私は、慌ててアニーに冷たい水を持ってくるように命じた。 「立てますか?せめて椅子に座って⋯私の肩に体重を⋯」 「これは、な、んの、薬⋯だ⋯っ!?毒じゃ、ない、な!?」 「苦しいですか!?」 息も絶え絶えに声を発するテオドール。 その様子が余りにも苦しそうで。
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