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プロローグ:それは究極の二択
大学から近い。
それだけでどんなボロアパートだろうと大勝利確定の、青山の家に集まるのはいつもの事だった。
同じサークルのいつものメンバーで呑み、気付けば全員床で寝落ち⋯というのもいつもの事。
講義はバラバラだったので、みんな適当に自分の時間に合わせてアパートを出て⋯
「起きろ浩太」
「ん?んん⋯」
「こーた、こた!望月浩太!!」
「え、もう朝ぁ⋯?」
「いや、昼だ」
微睡んでいた俺は、青山のその一言にカッと目を開けた。
「昼っ!?」
慌てて上半身を起こそうとし、右腕をガンッと机の脚にぶつけーー⋯
「痛って!」
走る痛みに思わず両目を瞑る。
そんな俺に重ねて襲い掛かるのは。
「ーーッ!つ、つめてぇ⋯」
昨日呑み散らかした缶ビールの残りだった。
"あー二日酔いに染みる⋯"
単位にまだ余裕があることを信じつつ、さすがにビールまみれでは大学へ行けないのでシャワーを借りる。
シャワーから戻ると、気のいい青山が親切心からビールまみれの服を洗濯してくれていた。
そこまでは良かった、のだが⋯
「俺のぱんつ!!!」
「俺のじゃダメか?」
「でかすぎんだろっ!?」
「息子が?」
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