1.だからそれは俺のぱんつじゃありません!

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1.だからそれは俺のぱんつじゃありません!

"まぁ、履いてみたら普通だな⋯" レースがくすぐったいかと思ったらそんな事もなく、テロテロした生地はむしろ肌触りが良いくらいで。 「と言ってもまた履きたい訳じゃねぇけどな」 なんて呟きながら、俺はトイレに向かっていた。 本当なら講義と講義の合間にコンビニでぱんつを買い履き替えるつもりをしていたのだが。 "言っても俺、寝坊したせいで昼からの講義2コマしかねぇしな" 履き替えるまでもないか、と考えたのはその履き心地が悪くなかったからかまだ前日の酔いが残っていたからなのかーー⋯ 念のため人の少ないトイレを選んだものの、特に周りを気にする事なく勢い良くジッパーを下げる。 そのまま用を足し終えたタイミングで、コツ、と足音が聞こえた。 "っと、急がなきゃ" ハッとした俺は慌ててジッパーを上げようとして⋯ 「ッ!?」 ギチッと上がらないジッパーに気付く。 "は!?なんで⋯、ってゲッ!レースとジッパーが噛んでやがるっ" 気を抜いて勢い良く下ろしたからか、それとも慌てて上げようとしたからか⋯ 重ねられていたフリルに、しっかりジッパーが噛んでしまっていて上げることも下げることも叶わない。
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