1.だからそれは俺のぱんつじゃありません!

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「や、やばいやばい⋯っ」 迫り来るコツコツという足音に俺はどんどん顔色を悪くしてーー⋯ 「⋯ぁ?」 「あ⋯はは、よ、よう⋯」 「あー、あぁ⋯」 とりあえずもう一度ションベンをしてるフリをしながら引き続きジッパーと格闘する。 そんな俺の横で黒に近い焦げ茶色の髪をしたその男はさっさとトイレを終えて。 "早く行ってくれ~~っ!" なんて俺の願い虚しく、「⋯長くねぇか?」なんて話しかけてきた。 「そっ、そうかぁ?」 「つか顔色もなんか変⋯?」 さっさと出てってくれたらいいのに、今最も必要としていない親切心を出した奴は怪訝そうな表情を向けながら俺に近付いてーー⋯ 「⋯学びに来てんのになんでそんなエロぱんつ履いてるんだ?」 "ぎゃ!見られた⋯っ!!" 唖然とした表情で大真面目にそう聞いてきた。 「ちがっ、違うんだ、これには深い事情がだな⋯」 「なに、望月ってそういう趣味なん?」 「⋯え、俺の事知ってんの⋯?」 さらりと名を呼ばれ、思わずキョトンとしてしまう。 そんな俺の顔をまじまじと見たその男は⋯ 「他の奴が入ってきて困るのは望月じゃね?」
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