荒野の一本道

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
 洋画で見かける、何もない荒野をただただ真っ直ぐ伸びる道路。アスファルトはひび割れ、時折走っていく大型トラックは車体をガタッと揺らし、排ガスを巻いて通り去っていく。  そんな、果てのない道を目の前にしたとき、あなたはどうする?  例えば「無人島に何か一つだけ持っていけるとしたら何を持っていく?」という質問に答えるくらい、気軽に考えてみてほしい。  「荒野の一本道を歩いていくとして、あなたは何をしながら歩いていく?」  ……ふむふむ、なるほどなるほど。  イイね!面白いね!もしかしたらバズるかもね!君の新しい一面を発見できたかもしれない!どの答えも素晴らしい!  …煽りじゃないよ?ごめんね。テンションが高かったね。  話を戻そうか。  道は時に「人生」を表すことがあるよね。それか目標達成のためのプロセスとか。とにかく、「時」を「道」として例えることって、よくあると思うんだ。  じゃあ、その「道」を歩いていくとして、何をしながら歩くのが正解何だろう。  ―――きっと答えはない。すべてが正しくて、等しく間違っているのかもしれない。鼻歌を歌いながら陽気に進んでもいいし。残りの距離を計算しながら真面目に歩くのもいいし。先の見えない道に怯えながらすり足で進むのもいいよ。  答えはないけど、君らしい道の歩き方で歩けばいいと思うんだ。  私?私はね、無限に書けるボールペンを持って、時空を歪ませてページが尽きないノートを首から下げて、自由気ままに歩いていきたいな。空想に耽って、思ったことをテキトーに殴り書きして、時間が経てばイタいポエムだってわかってても、自信満々にノートに書きこんで行きたい。そうしてできた一冊を最期の時に読み返して自分を笑ってやるんだ。 ……そして後世に残らないようにその場で燃やす。 どう?素敵でしょ!素敵だよね!……ヨシッ!  人生で何が大切で、そうじゃないのか。歩く前にはわからない。歩いてみてもわからない。  荒野の道と違って標識だらけの分岐だらけの道が、実際に歩く人生。  決められた道があったとしても、私は寄り道してもいいと思う。違う道を選んでもいいと思う。どうせ歩くなら「好きなこと」しながらね、それがいいと思うんだ。  それが「個性」で自分の「人生」だもの。 ……偉そうに言ってみても、私も迷い迷いの寄り道してして、ふらふらのらりくらりと歩いているんだけどね。  標識とか分岐とか全部ぜーんぶ取っ払って、一本の道しかないと思ったら、何して歩きたい?それがいま私にも、あなたにも必要なことと思うんです。 自分語りはここまで! …さいごにもういちど一緒に考えてくれると嬉しいな。 「荒野の一本道を歩いていくとして、あなたは何をしながら歩いていく?」    
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!