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5章 ホストのファッション
デビューしたはいいが
まず、困るのは着るもの。
息子のオサガリ(オアガリ?)は
いっぱいあるけど…
なんでもいいってわけじゃない。
ホストと言えば
僕の持ってたイメージ↓
どこで売ってるの?的な派手なスーツ
胸まで開けたツヤツヤシャツ
重力に逆らった盛髪、とんがり靴…
でもそれは、ひと昔
いや、ふた昔前のことらしい。
今はもう少しカジュアルになって
パーカーやデニムの人もいる。
でも流行はありつつ
ホスト独特のテイストが必要なのだ。
一体どうすれば…💦
「まず、会長の動画見てみろ」
タイガさんに言われた。
エルドラドグループ会長、
遠海 カナデ(とおみ かなで)さん
35歳
自らも歌舞伎町ホスト
勉強のため
見るように言われた動画チャンネルでは
カナデさんは芸能人みたいに華やかだった。
女性的なルックスだが
話の内容は硬い。
「ロジカルセオリー&人情」が
昔ながらの実業家っぽい。
まず初めに見たのは
ファッションについての動画だった。
以下抜粋。
「歌舞伎町のホストの世界は
この10年で大きく変わった。
つまりソフト&クリーンになった。
お客様も
歌舞伎町(水商売)の女の子ばかりではなく
動画やSNSを見た
普通の大学生やOLさんが
「推し」に会いに来る感覚で
たくさん遊びに来てくれます。
そういう女の子の求める夢を
現実にして売る
それが君たちの仕事。
つまりアイドルやアニメが
メディアを通して何万人に売っている夢を
現実に、一人一人に売るということです。
ということは、今
ホストに求められるものは
《アイドルよりリアル、彼氏より非日常》
ということだよ、分かるか?
まずは見た目。
ダイエット、整形、エステ
ヘアメイク、ファッション…
ありとあらゆる方法を使って
自分の考えるうる
最高の『イケメン』になれ。
イケメンであることは最上のおもてなしです」
なるほど。
動画や写真なら修正もできるけど
実際に逢うホストに求められるルックスは
かなり厳しいのか!
はああ〜…
ʅ(◞‿◟)ʃ
こちとらオバチャンなんだよ?
ほうれい線は有るけど
若さはないんだよ?
どうするよ…
いや、僕はスカウトされたんだ。
イケるって言われたんだから
イケるぞ!イケる
僕はイケてるぞ!
努力もするけど
まずは自己暗示
僕イケメン僕イケメン僕イケメン…
カノウエイコウの如く鏡を見て唱えるぞ。
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