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26章 冬人さんのオラオラ指導
新人のうちは
寝る間を惜しんで店外しろって言われる。
ホストは24時間営業だ、と。
「19、ハタチじゃあるまいし
その通りやってたら死ぬでしょ
あんまりイイナリになっても
女の子は喜ばないんだよ」
「そうですよね…」
「LINE見せてみろよ」
お!LINE指導してもらえるんだ!
僕は営業用のスマホを冬人さんに渡した。
そう☝️
こんな風に
ホストとヒメとのLINEは
先輩ホストの指導を受けるため
実は度々、晒されている。
もちろん女の子の側は
そんなこと思いもよらないだろう。
ホストによっては
「こっちはプライベートのアカだよ」
とか言って『特別感』を持たせる技を使う。
だからヒメは
担当も自分と同じ気持ちで
或いは少なくとも二人きりで
会話してると思ってる。
でも。。。
どんなにプライベート感満載の
ラブラブなやり取りでも
ホストにとって女の子とのLINEは『業務連絡』。
甘い囁きもお仕事の一環なのだ。
「オマエ意外に上手いぞ👌
だけど…例えば、これ→
このヒメは前の晩、被り卓の方に長く居たって
怒ってるワケでしょ?」
「はい💦
オンリーにしちゃった時間が長すぎて
翌日、店外で埋め合わせしました」
冬人さんは
すんなりした綺麗な人差し指を立てて
左右にゆっくり振った。
「要らないよ。
何度も重なってたら別だけど
それくらいでいちいち会ってたら
身がもたないぞ。
例えば…こう言えば良いの☝️
(オマエ以外の卓、全部、仕事なのに
なんでそんなこと気にするの?
オマエとは仕事じゃないんだから
逆に後回しなんだよ💗)
って、答えてあげるんだよ」
「ひー!本営ってヤツ…
(本当の彼女のように思わせる営業)
でもそんなケロっとしたら
もっと怒らないですか?」
「怒ったっていいんだよ
ホストは独り占めできないモノ
そんなこと、女の子はよく分かってる。
ただヒメは、いっぱいいる中でも
《自分は特別》って思いたいワケ。
担当を許してあげて
空いてる時間は休ませてあげて
寛大な愛で支えてあげるのは私だけ
って思わせてあげる。
女の子が求めてることに応えつつ
こっちが主導権持たないと。
万が一、女の子が怒ったら
たまにはオラってもいいんだよ」
「オラって、って?」
「オマエは俺のモノなんだから
黙ってついて来い!って言ってやるんだよ。
そう言われて嬉しい女の子も
いっぱいいるんだよ( ̄ー ̄)ニヤリ
ホスクラにくる子は大抵、
ただの優しい真面目な男じゃ
つまんないって子なんだから」
「はああ
そういうもんですか。。。。」
ホスクラに来るオンナゴコロ
難しすぎる。
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