2章 天使降臨

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大小のシャンデリアが 高低差でぶら下がり 無数の鏡に乱反射して🪞空間把握困難。 そんな空間の真ん中に 宙に浮いた塔のような螺旋階段を 僕らはどんどん降りてゆく。 今度は階段を降りるほど あたりは暗く、深い青に沈んでゆく。 遠のくシャンデリアの白い光が 月の明かりみたい。 ここは新宿、歌舞伎町のはずだけど 異世界の扉でも開けちゃったのかな。 やっと床に降り立つと 今度は足元からぼうっと光が上がってくる。 照明が埋め込まれたガラスの床だった。 ガラス床の下には水が流れて まるで水の上を歩いてるみたい。 その水中を色とりどりの魚が泳いでゆく。 本当の魚かな?と驚いてると 何か大きな影が 体をゆっくりくねらせて近づき さあっと僕の足の下を通り過ぎていった。 「リュウグウノツカイ!」 銀色の龍のような体をくねらせて もう遠くに消えていた。 「よく知ってますね 1時間に一回泳ぐんですよ、アレ。 では、ここに座って」 僕が座ったテーブルは壁際で その壁には滝が流れ落ちていたので 僕は思わず水飛沫から身をよけたが すぐに、その滝は プロジェクタマッピングだと気づいた。 さっきのリュウグウノツカイも きっと、そうだろう。 でも現実に水辺にいるように ひんやりした風がどこからか流れてくる。 いい香り〜😍 僕が鼻をひくつかせてると 「アロマの風を流して換気してるんだよ 感染対策もあるし、今どきはね! では、しばらく待っててください 支配人が来ます」 そう言って受付のボーイは行ってしまった。 少し目が慣れ落ち着いてきた。 改めて辺りを見回すと フロアに置かれたテーブルは透明で ガラスの中に照明と青や赤のバラが 咲いたり散ったりしながら浮遊していた。 そして薔薇のテーブルの間を しなやかな若い男たちが 動き回っているのに気づいた。
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