2章 天使降臨

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ホストたちは 真面目な学生みたいに テーブルやグラスの曇りをチェックし 丁寧にクロスで拭き取ったり おしぼりを一つ一つ綺麗に巻いて トレイに並べていた。 彼らが優等生と違うのは 袖捲りした腕に刺青がチラつき 首筋にゴールドのチェーンが 何重にもぶら下がっている点。 ぼうっと見惚れてると 「どーも!」 と明るい声がして まるで10代にしか見えない 殆ど白に近い金髪の男の子が トンと僕の前に座った。 へ?支配人が来るって聞いてたけど? 黒いライダースジャケットを肩にサラリとかけ 中に着てるサテンの白シャツの胸元には 鮮やかな牡丹の刺青… CH◯NELの金のネックレスが煌めいた。 顔は、そう… お人形のよう、としか言いようがない。 僕は思わず目が泳いだ。 「支配人の天使ユーリ(あまつかゆーり)です よろしく!」 あまつか… ああ、通りのデカい看板に出てた人! 天使って書いてアマツカって読むんだ。 「よろしくお願いします!  き、綺麗な顔…」 思わず口をついて出てしまった。 「そう?ありがとう 君もカッコイイじゃん、女の子みたいな顔だね」 そのエンジェルは、お花のように笑った。 「う、お、女です僕」 「あ〜そうだった、まじスゲー! でさ、キミ源氏名どうするよ?」
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