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とさっきまでの焦った様子がまるで嘘のように平然と答えるアリア。
「え?!ちょっ!アリアに変なこと教えないで貰えませんかね?!」
そしてそんなアリアの言葉に焦り出す私。
クーゲル様の剣の技術はやはり断トツで、軟禁が解けてからはまたクーゲル様とよく訓練をしているのだが⋯まさか前世の偏った知識まで教えられている?!
「随分と楽しそうだね」
そう声をかけてきたのは。
「殿下!?それにダージリン様まで!」
「御一緒してもよろしいかしら?」
ふふ、と笑うダージリン様はまるで天使のように可愛らしく、その白く透き通るような手にはお昼ご飯⋯ではなく、真っ赤なリボンを握られていた。
「?」
なんだろうとそのリボンの先を辿って後悔する。
殿下の首に繋がっていた。
これは突っ込まない方がいいやつ⋯⋯とか思った時には既に遅く。
「えっ、首輪?なにそのプレイ」
アリアが秒速で突っ込んでいる。
「いえ、首輪ではありませんわ。万が一どこかに引っ掛けでもした時に殿下の首が締まってはいけませんもの。むしろこれは少しでも私が引っ張るとほどけてしまうただのリボンですの」
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