2人が本棚に入れています
本棚に追加
ソーシャルゲーム。
ただの
暇つぶしにもならないゲーム
何も考えずに
ボンヤリと指を動かして
ボンヤリと動きを追ってた
ただの
色がつかないリアルの一部
つまらない毎日の繰り返し
●
あの日も学校で
いつものように指先で
キャラをくるくるとつついてたら
突然投げかけられたチャット
『レアモンスターが目の前にいるのに
くるくる回ってどうしたの』って
そんな言葉とともに
君は現れた
●
たまたま入りこんだゲームの中で
見上げることもなく
埋もれてた私を
見つけてくれた
話しかけてくれた
なぐさめてくれた
グチを聞いてくれた
励ましてくれた
ホメてくれた
優しくしてくれた君が
私の世界を
息づかせてくれた
●
ゲーム画面の『おはよう』に
顔いっぱいの笑顔で返事をして
玄関を開けたら
全力で駆け出したくなる朝
ログインしてみて
チャットが来ていたら
それだけでうれしくて
何度も何度も眺めた午後
君がログインしてたら
ゲームして
他愛もない話をして
もっと話したい
もっと遊びたい
そんな言葉をガマンして
君の『おやすみ』を指でなぞる夜
ゆっくりと色鮮やかになっていった世界の中で
君への気持ちを
いつのまにか腕いっぱいに抱えていた私
君の笑顔が見たい
声が聞きたい
いつしか
そんな未来を夢見るようになっていった
●
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
楽しかったの
うれしかったの
幸せだったの
もう言わないから
もう言わないから
だから
好きなんて言わないから
最初のコメントを投稿しよう!