2.喜んでと申しました

6/8

58人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
 手を引かれながらベッドに連れられると、まるでエスコートされているようでなんだかくすぐったい。 “こんなに立派になられて……”  坊っちゃんのベッドに、ベッドメイク以外で触れるだなんておこがましい気もしたが、ずっと立ったままの行為を望むご令嬢が何人いるだろうかと考え、促されるまま大人しく座った。  そのままバサリと上着を脱いだ坊っちゃんは、ベッド横の椅子に投げるようにかける。    7歳の頃のイメージが強いせいか可愛いとばかり思っていたのだが、18歳になられた坊っちゃんの体はしなやかな筋肉がついており、いつの間にか大人の男性になっていて。    その体を直視するのが恥ずかしくなり、私は思わず目を逸らしてしまった。   「……ま、まさか恥じらっているのか?」 「そのまさかです」  残念ながら表情筋はピクリとも動かなかったが、私の様子で察したらしい坊っちゃん。  私の返事を聞いた坊っちゃんの頬がじわじわと赤らむ。 「そうか、そうかそうか!いい傾向だ」  一気にご機嫌になった理由はわからないが、坊っちゃんが嬉しいと私までも嬉しくなった。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加